委任契約 準委任契約
『 任意にて 完全無償 往復代なし 』
委任 善管注意義務 無償 復代理不可
委任契約・準委任契約
・諾成契約(口約束でも成立します) ・原則無償(タダ働きがデフォルト設定です) ・善管注意義務(無償でもテキトーな管理は不可です) ・復代理不可(他人に丸投げできません) 委任契約は法律行為(売買契約など)を他の人に任せるという契約です。この契約の書面が「委任状」です。 これに対して準委任契約は法律行為以外を他の人に任せる契約で、媒介契約などがこれにあたります。 ( ⇒ 媒介契約の種類 ) 買主や売主を探して交渉をセッティングするのは法律行為ではありません。 ここまで説明しておいてこんなことを書くのは気が引けますが、準委任は委任の規定を準用(丸パクリ)しているので区別する意味はあまりありません。 ところで、委任契約は無償(タダ働き)がデフォルト設定(特約で報酬を請求できます)にもかかわらず、受任者には善管注意義務(その職業に見合った最善の対応をする義務)が負わされています。 これは日本の民法がコピーした西欧の法律のさらにコピー元であるローマ法にそう書いてあったという理由(?)によります。 ローマでも弁護士という職業は存在し、委任契約により弁護活動を行っていました。 当時も弁護士という職業は高度な職業とされ、高い知識水準が要求されました。 公教育制度もない当時において弁護士に必要な知識を得ることができるのは家庭教師を雇える貴族のような富裕層のみでした。 彼らは貴族の義務(ノブレスオブリージュ的な意味での)として無償で弁護活動を行っていました。地元の名士が民生委員をするような感じです。 従って、無償だからと言って手を抜いてもいいとか、誰かに丸投げするというな信義に反することは許されません。 また、当時の価値観ではお金のために仕事をするのは奴隷の役目でした。 ローマ法では物の賃貸借と雇用と請負はまとめて「賃貸借」とされていました。 雇用や請負は労働力(=奴隷)の賃貸でした。当時は奴隷は財産の一種だったので、物を貸して賃料を得るのと同じ扱いだったのです。 なお、ローマ市民が(所有する奴隷でなく)自分で賃金の為に働く場合には、自分自身を労働力(=奴隷)として賃貸するものと考えました。 「社畜」「レンタルおっさん」等はローマ時代であれば正しい表現ということになります。 (委任) 第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 (受任者の注意義務) 第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 (受任者の報酬) 第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。 (準委任) 第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。 |
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