代理権の濫用
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『 Tyrant の 無体な行為も I miss you 』
代理権 濫用 無権代理人の行為に 相手方 ミス(過失)有
代理権 濫用 無権代理人の行為に 相手方 ミス(過失)有
※ Tyrant(暴君、タイラント)
photosforyouによるPixabayからの画像
代理権の濫用
相手方が代理権の濫用(与えられた代理権の範囲内で自分や第三者の利益の為に代理権を使うこと)について悪意または過失のある善意の場合、その代理行為は無権代理人の行為とされます。 例えば、不動産会社の支店長が代理人として会社の分譲地の売買をする権限が与えれている場合、この支店長が売買契約すれば会社は分譲地を失います。 ところが、この支店長がサラ金で借りたお金を返済するために売買代金を横領するつもりで分譲地を売却した場合はどうなるでしょうか? もしも、この支店長には売買の権限(代理権)まで与えられていなければ、無権代理となり、表見代理や越権代理の問題になります。 しかし、売買契約自体はあくまでも代理権の範囲内なのです。 こんな人を代理人にした本人が悪い 原則としては、売買契約の効果は会社(本人)に発生し、会社は分譲地を失い、購入者は分譲地を手に入れます。 分譲地の購入者(相手方)は支店長(代理人)が代金を横領しようとしていることなど知るはずもないからです。 これに対して、会社(本人)は横領するような人に代理権を与えてしまったという任命責任があります。 そして、結論は何の落ち度もない購入者から分譲地を取り上げるのではなく、人選ミスという落ち度のある会社(本人)が分譲地を失うというルールにされています。 本人も人を見る目がないが相手方も気づけ しかし、購入者(相手方)が支店長(代理人)の本心を知っていたり、ちょっと考えれば本心が分かるような場合には購入者(相手方)から分譲地を取り上げてもかわいそうではありません。 この場合には会社(本人)は分譲地を失わず、購入者(相手方)は分譲地を取得できません。 なお、支店長が代理人として購入者と結んだ売買契約は白紙にはならず、支店長個人が購入者との間で結んだ売買契約ということにされてしまいます。 支店長は分譲地を会社から買い取るなどして、何らかの方法でこの分譲地を購入者に移転しなければならないことになります。 白紙にするのはいつでもできる バッサリと契約を白紙にしてしまうよりも、解決の選択肢が残るからです。 白紙にするのは支店長(代理人)が分譲地の取得等に失敗した後で、債務不履行を理由に解除してしまえばいいからです。 |
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(代理権の濫用)
第107条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
第107条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。