受任者の報酬
『 報酬は任意 』
報酬 支払義務なし
受任者の報酬
・原則無償(タダ働きがデフォルト設定です) 特約があれば報酬を請求できます。 もっとも、実際には報酬を請求するのが普通で無償の方がレアケースです。宅建業者も仲介手数料という報酬を請求します。 日本の民法がローマ法の孫引きということは「受任者の注意義務」でも説明しましたが、当時のローマの価値観ではお金のために仕事をするのは奴隷の役目でした。 ローマ法では物の賃貸借と雇用と請負はまとめて「賃貸借」とされていました。 雇用や請負は労働力(=奴隷)の賃貸でした。当時は奴隷は財産の一種だったので、物を貸して賃料を得るのと同じ扱いだったのです。 なお、ローマ市民が(所有する奴隷でなく)自分で賃金の為に働く場合には、自分自身を労働力(=奴隷)として賃貸するものと考えました。 「社畜」「レンタルおっさん」等はローマ時代であれば正しい表現ということになります。 ところで、「受任者の注意義務」でも書きましたが、委任は熱血少年漫画の世界観です。(「高度な信頼関係」といわれるものです。) 例えば、ポケモンでピカチュー(受任者)が激戦の末、敵に勝利します。そこで、「がんばったね!ピカチュー!」「ピカー!」といって、サトシ(委任者)がピカチューを抱きしめる。これが委任の世界観です。 ここでピカチューが、すかさずサトシ(委任者)に手を差し出して報酬を要求するのは委任の熱血少年漫画の世界観に反するので不可です。 (受任者の報酬) 第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。 |
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